SHINJI HOSONO PHOTOGRAPH

Vol.2 藤江健司さん 6

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藤江:細野さんとがっちり仕事するようになってからのことですが、綾瀬はるかさんの撮影は新鮮な驚きがありましたね。「ヤングジャンプ」での、細野さんとはるかちゃんの出会いは、彼女がもうデビューするかしないかで。

これはもう彼女がブレイクして女優としての地位を確立した後の話なんですが、僕がグラビア担当副編長なって、雑誌にメジャー感を出すために、もう一度グラビアに出てもらったんです。

場所は鳥取砂丘に決まって、僕の中では難破船が漂着した場所での物語、ブルック・シールズの映画「青いサンゴ礁」のようなテーマをイメージしていた。飛行機が砂漠に不時着して、はるかちゃんは奇跡的に生き延びて、という設定だから、飛行機の残骸のセットも作った。

そこからストーリーを作って、事務所や本人に見せるための絵コンテも作って、彼女も女優だから僕がどういうことをやりたいかすぐに理解してくれた。


前田:本当に映画みたいな大がかりな撮影ですね。

藤江:ところが細野さんとの撮影が始まると、もう彼女は用意したストーリーをはなから無視している!

砂漠という設定だから水は貴重じゃないですか。彼女が疲れた表情で喘ぎながら水を飲むシーンをまず撮りたかったんですが、ところが細野さんが透明なアクリル板を通して下からあおって撮影していたら、彼女は本当に楽しそうにそこに水をジャーッとぶちまけたりしている。

僕の言うことをハナから無視しているんですけど、それがとても新鮮だった。

はるかちゃんが自由に動いている。もちろんそこには細野さんとはるかちゃんの関係性があるから起きてる奇跡だし、ドキュメンタリーなんですが。


前田:それはベースになる藤江さんのストーリーがあったからできたことですよ。それを彼女が自分ならこんなストーリーにしたいと思って動きだした、ということですね。

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(続きま〜す!)